鑑賞・文化の風 秋コンサート《パリを愛した作曲家たち》

平成24年9月8日(土)、麻生市民館大ホールにて「文化の風 秋コンサート」
開催されました。

このコンサートは、地域に根ざして活動をつづけているアーティストとの協働で芸術の
まちづくりを進めている麻生区の市民グループ『芸術の街研究会・社会文化塾』の主催です。

2007年から始まった春・秋、年2回のクラシック・コンサートは今秋で10回目。
子どもから大人までの幅ひろい市民層に「本物の音楽」をとどけることを志しています。

ここでは、他に見られない次の2点が実践されています。
・ 入場無料(資料代400円のみ)
・ 3才児からの受け入れの実践・母子室の設置(幼いときから音楽に親しんでほしい)

この比類ない試みは、市民の手で作りあげたものだからこそ可能なのかもしれません。
「市民の・市民による・市民のためのコンサート」、思わずこんなスローガンが浮かびます。

市民に愛され、支持されて歩みつづけているコンサートの
会場は、例年にもれずほとんど満席でした。

今回のテーマは「パリを愛した作曲家たち」
その全7曲はよく耳にしている癒し系的な美しい曲が多く、
日常の喧騒から開放された快い空間に
思いのまま心遊ばす満ちたりたひとときを与えてくれました。

最初の曲はマスネの『タイスの瞑想曲』
バイオリンの魅惑的な音色をきわだたせる旋律と曲想の世界にとけこんでしまいそうな・・・

敬虔な美に魅了され、その余韻をあじわいながら次のプログラムへと導かれていきました。
私のだいすきなこの曲から入ってくれたことに感謝です。

プログラム   
第1部  
マ ス ネ
ブーランク
ドビュッシー
 
 「タイスの瞑想曲」
 「ヴァイオリンソナタ」《ガルシア・ロルカの思い出に》
 「ピアノ三重奏曲 ト長調」
第2部  
ショパン
カルザス
ホッパー
サラサーテ
 
 「幻想即興曲 嬰ハ短調」
 「鳥の歌」
 「ハンガリー狂詩曲 ニ短調」
 「カルメン幻想曲」



バイオリン奏者・小林美恵さん、チェロ奏者・唐津健さん、ピアノ奏者・佐々木祐子さん
ソリストとして世界を舞台にした高い実績と評価を持ち、その力量を十二分に発揮された
すばらしい演奏を披露してくださいました。
会場からは惜しみない拍手が送られます。

印象的だったのは、ドビュッシーの『ピアノ三重奏曲 ト長調』
18歳の時の作品で恩師に捧げた曲とのこと。
そのため永らく世に出ず、作曲後100年を経て偶然発見されたもののようです。

「荒削りさがのこるが後年の彼のスタイルを予感させる・・・」という紹介があり、
興味しんしん演奏に聞きいりました。

確かに若者らしいひたむきさが感じられる初めての本格的作品といった感があり、
印象派といわれている彼の抒情的な曲とは趣きがことなるようです。
若者の象徴である力強さと躍動感にあふれていました。

ピアノの詩人ことショパンの『幻想即興曲』は耳慣れたおなじみの曲ですが、
生演奏だからこその感慨ひとしお・・・。

このショパンがハンサムだったため、上流階級のサロンで引っぱりだこだったとの
解説がきっかけで、「ハンサム」という言葉が、その後の演奏のあい間に
ちょくちょく恨めしさのこもるトークとして添えられ、会場の笑いを誘うなどして
終始なごやかな親しみのある雰囲気に包まれていました。

このコンサートでは、演奏者自らが曲目の解説を行っており、そのトークは誠実で初々しく、
しかも堂々としており、舞台と客席の一体感をはかろうとする心づかいがみられました。

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