法雲寺は
小田急線「新百合ヶ丘駅」から小田急バス新02系統「千代ヶ丘」行き、
「多摩農協園芸センター」下車、徒歩8分の所にある禅宗曹洞宗の名刹である。
『新編武蔵風土記稿』によると、
高石山法雲寺は加々美正光が開基となり誉心によって開かれ、宗派は臨済宗と記されているが
明治以降いったん廃寺となり、昭和15年曹洞宗寺院として再興されたといわれています。
法雲寺の木造阿弥陀如来坐像は、
像高75.5cm、寄木造、彫眼(ちょうがん)で漆箔が施されています。
姿は納衣をまとい、右手は屈臂(くっぴ)して掌を正面に向けて、
左手は膝上で掌を上に向け、いずれも第一指と第二指を捻じていますが、
こうした阿弥陀如来の印相を上品下生(じょうぼんげしょう)の来迎印(らいごういん)と称しています。
椀を伏せたような高い肉髻(にっけい)、整然と刻まれた小粒の螺髪(らほつ)、
丸顔で穏和な表情、浅く穏やかな衣文襞などは、
明らかに藤原時代に流行した定朝様(じょうちょうよう)と呼ばれる作風の特色を備えています。
現在、県下では厚木・金剛寺や横浜・証菩提寺などに
典型的な定朝様の阿弥陀如来坐像が残されていて、いずれも重要文化財の指定を受けています。
法雲寺像はこれらの作例と比較しても遜色ない出来映えで、
市内に残る数少ない平安仏として市の重要歴史記念物に指定されています。
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